iPhoneの世界的普及によって成立するオンカジの流行と問題点について
オンラインカジノの魅力の一つに「iPhoneが一台あればいつでもどこでも遊ぶことができる」というのが挙げられる。
本来であればラスベガスや韓国やマカオなどに渡航してリアルカジノに足を運ばないと遊べないのがカジノゲームというものだ。
だが、オンラインカジノはiPhoneがあればどこでもカジノゲームで遊べるという環境を整備し、ギャンブルの世界と歴史を一変させてしまった。
オンラインカジノの隆盛というのも、これもまた、スティーブ・ジョブスが作り出した一つの遺産であると考えていいだろう。
オンラインカジノはパソコンからも遊ぶことができるが、それだけではやはり限界があったはずで、逆に言うと、iPhoneの開発と普及なしにはオンラインカジノは現在の流行を獲得することはなかったはずだ。
今回は、オンラインカジノとiPhoneの共依存関係について見ていきながら、スマホで遊べるオンカジについて考えていきたい。
iPhoneの普及で世界中から参加者が集められることの持つ意味
iPhoneは世界的に普及しており、すべてのiPhoneユーザーが国境を越えてオンラインカジノで遊ぶことができる。
スマホの世界的普及の持つ意味は、オンラインカジノの胴元側から見るとあまりに大きい。
ギャンブルというのは、基本的には「賭けの参加者の賭け金」の合計によって運営が成り立っている。
プレイヤーの勝利金というのは、この「参加者全員の賭け金」が「一部の勝利者」に分配されることで発生するものであり、負ける人間が多ければ多いほど、還元率も高くなるし、胴元も損せず勝利金を一部の勝利者に配布することができる。
iPhoneの登場がオンラインカジノの胴元にとって大きな意味があるのは、まさにこの点である。
iPhoneの普及で世界中にいる人間がいつでもどこでもオンラインカジノで遊べるようになったということは、「かき集められる賭け金」の範囲に制限がなくなったということを意味している。
「日本国民全員から1円をもらえば1億円になる」というようなのは笑い話でしかないが、iPhoneの普及によって、オンラインカジノというのはこの笑い話を現実の出来事にしてしまった、というような側面がある。
カジノというのは、それまでは渡航などが必要なある程度の贅沢であり、貧乏人が気軽に参加できるようなギャンブルではなかった。
だが、オンラインカジノは「iPhoneを所有できる」くらいの庶民的な経済力を持つ人間であれば、少額であっても参加できるようなギャンブルとして、カジノへの参加条件と、賭け金集金の規模を根本的に変えてしまったのだ。
iPhoneの普及とギャンブル依存症との相性も抜群である
iPhoneの普及によって問題になっているのは「スマートフォン依存」と言われる依存症だ。
このスマホ依存症は、ギャンブル依存症との相性が抜群であり、合併症的なユーザーを大量に生み出してもいるという現状がある。
iPhoneの世界的な普及によって新たに発生したこのスマホ依存という依存症は、つねにiPhoneの画面を確認し、何かしらの操作をしていないと不安になるという症状が特徴的である。
スマホ依存になる人間の特徴としては「時間の潰し方が下手」ということがあげられるのだが、この「時間の潰し方が下手」な人間というのは、暇つぶしのパチンコなどで破滅する依存症患者を見れば明らかなように、ギャンブル依存症との親和性も強い。
暇つぶし程度でオンラインカジノで遊びたいなら絶対に無料の入金不要ボーナスで遊ぶべきだ。
完全無料で始められるのでギャンブル依存症とはほど遠く、ちょっとした時間つぶしにもなると思う。
オンラインカジノの流行がiPhoneの普及とセットである理由としては、このスマホ依存とギャンブル依存症の親和性の強さが挙げられるし、ほとんど「原因」とさえ言っていいのではないかと思われる。
SNSなどを見続けるのであれば、奪われるのは「時間」だけだが、オンラインカジノをやりつづけることでスマホ依存も満たせてしまう場合は「金」も奪われることになるため、危険である。
オンラインカジノの流行は、スマホ依存によって支えられているということについては、今後、多くの検証と批判がなされるべきだというのが筆者の考えである。